23 永遠
"Eternal"
written by 風子
      
心の瞳が開いた時、

私は貴方の海の上に漂っていた・・
小さな船に横たわり私の呼吸だけが
心地よい波風のハーモニーに誇張を合わせ
揺られていた・・
いつの間にか静かに・・

この海は嵐のように荒れ狂い沈みそうな時もあったけど・・・
いつしか波は優しく穏やかな安堵なぬくもりに包みこみ
忘却の彼方へと私を深い眠りにつかせていた・・・

そう、私はいつだって貴方の海に小船の上で漂うだけだった・・・
この果てのない永遠の海に抱きとめられて・・

さあ、起き上がって・・しっかり目を開けて・・廻りを見つめて・・



ああ、岸が見えてきた
この舵をとって
あの岸辺にあがる事が出来たら、貴方から離れる事ができるかしら・・・
この足で歩く事が出来るかしら・・・

さざ波が足跡を消し、私の存在を消していく

貴方から私の存在が消えてしまうの・・・

この海は、波打つ事のない暗い冷たい海へと変えてしまうの・・・?

私は貴方の海から離れて波の音色を聴き、海風だけを感じ思い出として
生きていけるかしら・・



愛している・・・この気持ちも忘れて



岸辺の先にある砂浜へ・・一歩を踏み出せるのかしら・・・

一人で・・・独りきりで・・

私はこの海に舵を沈め貴方の波に揺られていたい・・

この小船に身体を寄せていこう・・
貴方の波にいつまでも揺れていよう・・
たとえこの海に溺れてしまっても・・私は後悔しない

私の心と一緒に堕ちて行こう



私のハートが泡となり消えてしまっても・・
この思いは永遠に貴方の海へと注がれるのだから・・・



私は瞳を閉じ海の音色に心を預けた・・



永久に・・・



Eternal



2.12.2003



<Fin>





□風子さんより□
海って私達が生まれる前、そしてこれからも永遠に続くんだろうな・・
なんて思ってたら真澄さんの海の心を思い出し書いてしまいました。
お忙しい中アップして下さった杏子さん、ありがとうございました。
読んで頂いた方々、相変わらずの私の独り言にお付き合い頂きありがとう ございました。





□杏子より□
ESCAPEの詩人・風子さんの御投稿作第二弾でございます。 ゆ〜らゆらとどこか遠い世界にいってしまったのは私だけでしょうか?海の中での感覚って胎児の感覚に似ているって前に聞きました。どんな結果になろうと、心だけは生まれたままに正直に生きていこうする、マヤちゃんに涙を誘われます。
風子さんステキな作品、またまたありがとうございました!





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