初☆体験物語 2
written by kineko

さっき買ってもらった水着に着替えてプールサイドに出てみた。速水さんはもう着替えて待っていてくれた。
「お待たせしました。」
あたしがそう言うと、速水さんは目を細めて、こう言った。
「貸切にして正解だな。こんなに素敵な姿を他のヤツに見せるなんて勿体無い。」
「速水さん…」
「そのパレオは泳ぐのには必要ないんじゃないか。」
そういい、するりと外されてしまった。
「やだぁ、足、太いの見えてしまうじゃない!」
「そんな事はないよ。綺麗だよマヤ。」
照れて真っ赤になってしまう。
「うわあ。すっごいね、速水さん!、見て見て!スライダー。ねぇあれ滑ろうよ。」
照れ隠しに大げさに騒いでみせる。
戸惑う速水さんの腕を掴みスライダーにまっしぐらに向かった。
「おいおい、そんなに急がなくても…」
「だってぇ。あっちのジェットスパも面白そう。ああ!滝もあるよぉ!」
子供のように、はしゃいだ。こんな所に来たの初めて。速水さんとプールに来ているなんて不思議。
なんだかワクワクして、はしゃいでしまった。
「マヤ!そんなに引っ張らなくてもちゃんと行くよ。」
スライダーを滑ろうと階段を上りかけたときに、奥の方から露出の多い服を着た魅惑的な女性が歩いてきた。
「速水さん!いらっしゃいまっせ〜。待ってたわ♪そちらはマヤちゃんね。こんばんはぁ、杏子です。よろしけね。今夜は楽しんでいってね♪」
そういいながら杏子さん手を差しだした。どうもと軽く握手を交わしたが、すぐに速水さんの腕に引き戻された。
「今夜は無理をいってすまなかったな。1時間ほどで帰るから。」
「あらっもっとゆっくりしていっていいのよ。アタクシは事務所の方で仕事をしてますから、お帰りの時には声をかけてね。」
左手をかざしながら杏子さんは去っていった。速水さん顔を見上げると少し険しい表情のように見えた。
「ねぇ。速水さん。」
「なんだ?」
「ううん。なんでもない。」
杏子さんって速水さんとどういう関係かしら?気にはなったけど訊けなかった。
『昔付き合っていた。』なんて言われたら、冷静に話しできなくなりそうで怖かった。
「さ、行こうよ!」
「おい、本当に俺も滑るのか?」
「ここまで来て何を言ってるんですか?さぁ行きますよぉ!」
往生際の悪い速水さんの手を引っ張って階段を上っていった。ふと、速水さんの手を見ると手首に小さな引っ掻き傷があった。珍しい物を見たような気がした。視線が若干止まったことを速水さんは気づいたのか、
「ああ、これか。いつの間についたんだろうな。」
意味ありげにニヤっと笑う速水さん。
・・・・・・・・もしかしてあたしがつけた?
「ここだけじゃないと思うんだが…」
途端に顔が赤くなるのがわかった。
「えっと、あッあたしから滑りますね。」
そう言って滑り口に手をかけた。と、その時、後ろから腕を廻されて抱きしめられた。
「一緒に滑ろうか。二人だと加速がついてもっと面白いぞ。」
「え?そうなんですか?」
「さぁな。」
「あ!からかったんですね。もう、本気にしちゃいましたよ。」
そういって振り向いたあたしの頬に手を添えて速水さんは軽くキスをしてニッと笑う。
すっと体を持ち上げられ、そのまま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「ん………ああ!」
「どうだ、マヤ。」
「こんなの初めて…」
「良かったか。」
「うん。…でも…」
「でも、なんだ。」
「もう1回…いい?」
「しょうがないな…そんなに良かったか。」
「また一緒にいくの?」
「なんだ、一人がいいのか?」
「えっ…えっと。速水さんはどっちがいい?」
「君だけ、いってもいいよ。」
「じゃあ…もう1回。」
「ああ、いいよ。いって。」
「じゃあいってくるからここで待っててね。」
「ほんとに、子どもだな、マヤは。」
呆れ顔でそういいながら速水さんは、座り込んでしまった。
「じゃ、いっきま〜っす!」
二人だと加速つき過ぎて、怖かったのよ。もう、速水さんたら、急に抱えて滑るんだから!今度はおもいっきり楽しむぞ!
「そぉれ!」
しゅ〜〜っと滑る感覚!もう病みつきになりそう・・・・・
ざっばーんんん!!
「んっぷはっ!あぁおもしっろ〜い!!もう1回いってくるね。速水さん。」
「好きなだけ滑っておいで。」
ちょっと速水さんの笑顔がひきつっているような気がした。気のせいよね?
「じゃ、もう1回だけね。いってきま〜す。」






しゅるるるぅぅぅ〜んん。ざっば〜ん!!
さっきより勢いが付いてしまったようで、思いっきり水しぶきを上げて着水してしまった。横で眺めていた、速水さんはずぶ濡れになってる。
「マヤ。」
「なぁに?」
てっきり叱られるのかと覚悟してたら、にやけているのか、照れているのか、複雑な表情の速水さん。
「だから、何?どうしたの?」
黙って胸を指差された。視線を下に向けると・・・・・・・・・・・・・

「いやぁ〜!!!」
ザバンと水に潜った。
勢いがつき過ぎたせいで、水着のリボンが外れたみたい。ううぅっ恥ずかしい〜!!
ちょこんと出ている頭を速水さんは突付き、
「今更恥ずかしがる事無いだろう。」
そういって笑いかけた。

それはそうですけど・・・・・・一応、乙女の恥じらいってものがあるんですよ!

もたついて、あせればあせるほど上手くリボンが結べない。見かねて、速水さんが結んでくれた。
「あ…ありがと。」
「脱がせるのも得意なんですけど。」
「☆☆☆!」
慌てて、速水さんから逃げるように、水からでて、また階段の方へと走っていった。
「おい!マヤ!冗談だよ!」
「速水さんが言うと、冗談に聴こえませんよ!」
あっかんべ〜をして、もう一度スライダーに向かった。少しビックリしたけど、おもしろかった!
なんだか、病み付きになりそう・・・・・・



結局10回も滑ってしまった。
「ねぇ速水さん。あっちにジャグジーあるよ。行ってみる?」
待ちくたびれて疲れている速水さんに声をかけてみた。
「ああ、行こう。」
円形の小さなプールで、何箇所から、噴流が出ていた。
「足とか腰とか当てると気持ちいいよ。速水さん。」
「そうだな。マヤちょっとおいで。」
「?」
手招きする速水さんのトコへ行くと、ぎゅっと速水さんに後ろから抱っこされる形で座らされた。
「きゃっ!」
「マヤ…」
「なぁに速水さん。」
耳朶に息を吹きかけられ首筋にキスをされた。
「あん。」
「可愛いな。マヤ。」
ついっと足を持ち上げられ、噴流に足の付け根を近づけられた。力強い噴流が猥雑さを帯び、刺激される。速水さんの指が
次第に双丘を弄る。
「…イヤ。速水さん…止めて…」
徐々に体の力が抜けていく気がした。不自然な形に体を捻らせ、逃れようとするあたしをしっかりと抱きしめ、口腔をも弄りはじめた。粘りを帯びた唾液が絡み合う。熱い吐息が嬌声とともに零れ落ち始める。
「いい声だ…マヤ。」
「あ…イヤ。言わないで…。」
「こんなにして……」
水着越しに弄る指が粘り気にある液体を探し当てたようだ。
「…ん…はぁ。」
次第にエスカレートしていく指の動きに、意識が遠のく。本能だけになっていく気がした。僅かに残る理性が、声を発する。「だ…めよ。誰か…誰かが…来たら……」
「誰も来やしないよ。」
「…んん。」
キスで口を塞がれる。


淫らな音はジャグジーの泡音に掻き消されていく。

体中に纏わりつく微粒の泡と、巧みな指先に、意識は白く遠のいていった。






「マヤ、続くは帰ってからだ。さすがにここでは、な。」
「え…あ、うん。」
もちろんそんな事はわかっていたけど、体の力がすっかり抜けてしまったような気がした。くにゃくにゃになっちゃったあたしを速水さんは横抱きにしてそのまま更衣室まで連れてくれた。
「着替え、手伝おうか。」
「一人で出来ます!」
「冗談だ。さぁ。外で待ってるから、着替えておいで。」
そう言い、あたしを下ろし、速水さんは手を振り更衣室へと入って行った。


髪を拭きながら、更衣室から出ると、速水さんは杏子さんと立ち話をしているところだった。遠くて会話の内容まではわからないが、なんだか深刻そうなカンジ。速水さんの顔が強張っているように見えた。
あたしの姿が視界にはいったのか、速水さんはまだ話したそうな杏子さんを片手を挙げて制し、あたしのほうに歩いてきてくれ、笑顔を浮かべ、髪をクシャッと撫でてくれた。
「なんだ、きちんと乾かしてからで良かったんだぞ。」
「えっでも、待たせると悪いから…」
「女の支度は時間がかかるものと、わかっている。さぁ乾かしておいで。」
くるりと廻されて背中を押された。なんだか、聞かれたくない話があるみたい・・・・・・・
「はい。乾かしてきます。」
そう言って更衣室へ入る振りをして聞き耳を立てた。


「で、今夜の見返りは何が希望だ。」
「やぁね、見返りなんて考えてないわ。」
「そうなのか?俺は、てっきり…」
「てっきり、なぁに?ふっふっふネタ頂戴とでも言うと?やぁね、そんな野暮いわないわよ。」
杏子さんに、にこやかに微笑まれて速水さんがタジタジになっている。こんな速水さん見た事ない・・・・
「お二人の幸せな姿が見られればそれだけでいいのよ。でもぉ・・・・・」
「でも、なんだ。」
速水さん首に腕を廻して艶やかに微笑、耳元で何かを囁いた。
「今夜はごちそうさま。うふっ♪」
「なっ!・・・・・・・・おい。もしかして。」
「アタクシはここのオーナーですのよ。ふっふっふ。」
速水さんは片手で顔を覆って天を仰いだ。
「俺とした事が!」
「シャチョー、ESCAPEでの行動はお気をつけあそばせ!ではでは〜」
そう言って杏子さんは軽い足取りで去っていった。鼻歌まで聴こえてくるような・・・・・・
「おい!俺は何を書かれてもいいが、マヤの事は手加減してくれよ!」
杏子さんは背中を向けたまま、左手をでOKを作った。
「まったく、杏子にはかなわないな。」
そういってフッと笑う速水さん。

あの二人の関係って一体・・・・・・・・・
杏子さんって一体何者なの?
さっき速水さんに何を言ったの?
もしかして今夜これから杏子さんと逢うとか?
でも速水さん、杏子さんからあたしを守ってくれてるみたいだし・・・・・
え〜????速水さんに訊いてもいいのかな?
でもでも、『君には関係のないことだ。』なんて言われたら・・・・
本命は杏子さん?
もしかしてさっきの店のYOYOさんも・・・・


一人、頭の中に妄想が駆け巡ってしまって、なんだかクラクラしてきちゃった。
あれ?目の前が・・・・・・・・・・






「おい、マヤ、大丈夫か?」
ゆっくり目を開けると、目の前に速水さんの顔があった。
「あ、速水さん……あの……」
思いきって聞いてみることにした。
「あの、杏子さんって速水さんのなんですか?」
「え?杏子?誰だ、それは。」
「とぼけないでください!さっき話してたじゃないですか!」
「さっき?」
「そう!更衣室をでたところで!二人で親密そうに…あたしには言えない関係なんですね。もういいです!」
悔しくってその場を立ち去ろうとした。と、あれ?ここどこ?
「…あの、ここはどこ?」
「なんだ、まだ寝ぼけているのかいチビちゃん。」
少し落ち着いてあたりを見渡す。そこは、速水さんの部屋だった。
「いつの間にESCAPEから帰ってきたんですか?」
「ESCAPE?なんだいそれは?」
「え?さっきまでプールで遊んでたでしょ。それにオーナーの杏子さんって人となんだか親密に話してたじゃない速水さん!」
「さっきまで俺は君に腕枕してたんだが。それは君がうなされていた夢の内容かい?」
「夢?」
あれ、全部夢だったの?ぼんやり考えていると背中から抱きしめられてベッドへ連れ込まれてしまった。
「きゃ!」
「で、どんな夢だったんだい?プールに行ってたのか二人で。君の水着姿みたいな。う〜んでも他の人に見せるのはイヤだな。そうだ、知り合いに頼んで貸切にしようか。」
「ううん!いいです。行きません!行かないです!」
力いっぱい否定した。
プールは面白そうだけど、もし、もし夢みたいになっちゃたら・・・・・・・・

「プールじゃなくて海とかに旅行にいきませんか?うん、そのほうがいいです。」
そういって首に腕を廻しキスをした。
「じゃあ夏になったら二人で行こう。」
キスを交わし、とりあえずシーツの海を泳ぐ事にした・・・・・・





6.29.2003



<Fin>










□kinekoさんより□
安全ヘルメット被ってショベルカーで掘ったつもりが 気が付くと移植ゴテで薄―く掘り返しただけでした。





□杏子より□
メタクソ甘かった”不機嫌なバラ”のUP後、掲示板で
”続き読みた〜い♪”
”スコップ貸しますよ〜”
”さっさと、ショベルカーに乗れ”
と言いたい放題言われていたkinekoさん。無事に菌の発酵に成功なさったようです。
お貸ししたヘルメットですが、どうぞそのまま愛用なさってください。ええ、いつでも必要でしょう、あなたには♪
どこまでが夢で、どっからが現実なのか、なんだかうま〜〜い具合に、煙に巻かれてしまいましたね。真実はkinekoのみが知るって?チャシャ猫よろしく、樹の上でニターーって笑ってる樹猫さんが、目に浮かびます。
チャシャ猫!!さすが、おそろしい(ね)こ!!





30Stories top /home