| おわびに…●●
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| written by ●号
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パリ−ン!! ガラスの砕け散る音が社長室に響き渡った。 「ご、ごめんなさい・・・どうしよう!!速水さん!血が!血が出てる!!」 額にやった手に血がついた。少し切れたようだ。 「たいしたことないよ。」 とは言ってみるが血が止まらない。マヤは急いでそばにかけよりハンカチを渡した。 「いいのか?じゃ、お借りするよ」 といって傷口を押さえた。 心配そうに覗き込む大きな澄んだ瞳・・・・不安が一杯って感じだ。 「ごめんなさい、わたし、わたし・・・」 今にも泣きそうな声で訴える。 「・・・気にしなくていい、男は顔に傷のひとつやふたつ持ってても悪くはないさ」 「見せてください、傷口。」 そういって俺をソファに座らせマヤの顔がすぐ目の前まで近づく。 「深そうです。これ、縫ったほうがいいかも。ちょっと待ってくださいね。」 そういってカバンの中をゴソゴソしだした。 そして小さないちごの模様の鏡を取り出し、俺に手渡した。女の子らしいな、いちごか。 「ね?だいぶ切れてるでしょ?」 と説得にかかる。 「お医者さんに行ったほうがいいです、絶対」 あまりに真剣に言うもんだから 降参する事にした。なるほど傷口がぱっくり割れているし。 「わ、わかったよ、じゃあついてきてくれるね?」 と言って馴染みの外科にタクシーで向かった。 ![]() 「痛そう・・・」 「だったらあっちに行ってろ、」 「え、見ます、最後まで見ます」 そういって針が縫っていくのをまじまじと不思議そうに目で追っていた。なにかの演技にでも使おうと思っているんじゃないだろうな?ったく。 「はい、終わりましたよ」そういって額に四角いモノを貼って終了した。 「ごめんなさい、まさか割れちゃうなんて思わなかったから・・・・ほんとにごめんなさい」 そういってまた頭をさげた。あまりに真剣にあやまるのでちょっとからかってやろう・・・・ 「そうだな、じゃあ、責任とってもらおうかな?」 「ええっ?」 と顔が青ざめていく。 「おわびに メシでもおごってもらおうかな?」 「えーっつ!ええ?!!わ、わかりました。」 と涙目で言う。きっともちあわせが少ないんだろう。 「ちょうどいい、最近オープンしたスペイン料理屋がこの近くにあるぞ、そこへ行こう。」 「は、はい・・・・・」 クッツクッツク、無理なら無理って言えばいいのに・・・・おもしろい事になってきたぞ・・・ 「じゃ、決まりだな」 そして俺はルンルン、マヤはげっそりして歩いて店に行った。 高級感漂う店内をキョロキョロ見渡しているマヤはほって置いて俺は料理を注文する。 つぎつぎにメニューを並べ立てる俺をハラハラした視線がつきささる。分かりやすい子だ。 ああ、もう駄目だ・・・って顔だ。 必死でおかしさをこらえてマヤに言った。 「君は、なにがいいかな?デザートは1品でいいか?」 一瞬デザートという言葉に反応したみたいだったが、かき消してポツリと言う・・・・ 「い、いいです、」 ああ、もう見ていられない、おかしくて可愛くて、もう限界だった。が、ここで折れるもんか。なんてっつたって俺は大都芸能の冷血社長なんだからな!! 「そうか、じゃ、これで」そういって、メニューをとじた。ふう===っと、マヤの息が洩れていた。 料理がつぎつぎと運ばれてきた。 「おいしそうだな?さあ、食べようか?」 と、明るく元気に言う。 「・・・・はい。・・・・・・・」 ん〜元気が無いぞ・・・。 せっかくの料理もこのままじゃ台無しだ。仕方ないな。。。。。 「大丈夫だよ、未成年にこんな高価な料理おごれなんて言わないさ。さあ、おいしいよ、このイカ。」 「ほ、ほんとですか?」 一気に笑顔がもどった。 「じゃ、いただきま〜す」 そう言って嬉しそうにイカを食べだした。 「おいしいです!」 「だろう?」 やっぱり男は好きな女に食わせてやる時が一番幸せだ・・・と、こころの底でほくそえむ。 おごってもらうより、俺は君と一緒にいるだけでいいんだ・・・・・バーチャルデート♪ ふと、顔がゆるみ笑顔がこぼれ、見つめてしまった。 思わぬ熱い視線が自分に向けられ、マヤは喉にイカを詰まらせる。そして顔が真っ赤になる。そしてコツンとフォークを置いて、手をひざにのせた。 「あの・・・なんですか?速水さん・・??」 (ちょっとパクつきすぎちゃったかな?ああん!はずかしい!) 「いや、なんでも。おいしそうに食べるなって。それよりデザートは追加するか?」 「んあ、はい、!!お願いします。」 なんて現金なやつだ。こういうところはやっぱり子供だな。 会計を済ませ、お土産にケーキも持たせた。遠慮して悩んだ末、6個にしたらしい。 「あの、どうもご馳走様でした。」 「どういたしまして。楽しかったよ。俺も」 と、ニッコリ笑う。 「あ、楽しかったってやっぱり!!はじめっから払ってくれるつもりだったんですね?」と怒ってる。 「ああ、あたりまえだろ?社長だぞ、俺は。 なんで未成年に支払わせるんだ?」 と、突然マヤは笑い出した。クスクスクス・・・・両手で口を押さえて・・・ 「あの、あのね、わたし、わたしね?もう20歳超えてます・・・・クスクスクス・・・プ===ッ!!」 「何ィ?だましたな〜〜〜!!」そういって逃げる彼女を追いかけた。 「どうも・ご・ち・そ・う・さまでした〜!!」そういって手を振って地下鉄の階段に吸い込まれて行ってしまった。 ・・・・・やられた・・・・・ その夜、久し振りに早く帰宅して、長風呂をした。 マヤのおどおどした顔、嬉しそうに食べる顔、いろんなしぐさをおもいだし、楽しいバスタイムだった。 ふっつ・・・・また、いじめてやろう。 ![]() 翌々日、社長室にマヤが怪我の様子を見に来た。 「それがな、腐って化膿して、だいぶ悪いんだ。」こういう演技は楽しい。深刻に暗めに呟く。 「ええ〜〜っ!どうしよう。」また涙目だ。まさか俺の事好きなのか?ふ〜ん・・・・試してみるか・・・ 「ほら、見てご覧?」と、はずして見せた。 いいぞ、また至近距離まで近づいてきたぞ!!!もっと近くだ! 「な?」そう言って、俺は目の前のちいさい身体を一気に抱きすくめた。 「きゃ====!!!」 俺は思いっきり突き飛ばされた。 今度はテーブルのカドで腰を思いっきり打った。「・・ってててて・・・」冗談抜きで痛かった。 「おいおい、今度は入院させるつもりか?」 「だって、・・・・急に・・・・速水さんが・・・・ごめんなさい!!」また涙目だ。 「ん?急にじゃなかったらいいのか?」と笑いながら言った。 ・・・・彼女はうつむいたままだった。おや?真っ赤だ・・・・・???? 「どうした?」・・・・・・・??? 「・・・・たらいいです・・・」 ?ん?何て言った? 「何だ?」 俺は立ち上がりマヤの突っ立っている場所まで近づいた。「なんて言った?」と優しく問う。 マヤはもじもじしながら小さい声で答えた。 「き、急にじゃなかったらいいです!!って言ったんです。」 信じられなかった・・・・・・・真っ赤な顔して、震えてまでいる。 「いいのか?」 震える身体をそっと両手を伸ばして引き寄せた。うつむいたままの彼女を・・・・ そっと、俺のアゴの下にマヤの頭を押し込め、抱きしめる力を強めていく・・・・ふんわりあったかくてやわらかい。女の子ってこんなのか?と今更思う。いい匂い・・・・だ・・・ 不思議なもので、こうして抱き合っていると、素直になれる・・ 「好きだ・・・・」 数分後、ポツリと告白した。 「君は?俺が嫌いか?」 ううん!と首を振ってしがみつく力が強まる。 ああ〜〜〜マヤ〜〜〜!!!! また数分間フリ−ズしたまま抱き合った。 「あ、」思い出したようにマヤがしゃべりだした。「化膿した傷口、見せてください」 と、俺の腕から離れていった。 まじまじと背伸びしておでこを見ようとしている。そうはいくか。10cm以内にウロウロするやつはこうなるんだ! と、唇めがけて ●●した。 「きゃ=====!!!」 また俺は突き飛ばされた。 「ひどい===!!!」 そういって、彼女は真っ赤になって社長室を飛び出ていった。 ああ、時間がかかりそうだな・・・・・・マヤ!!!・・・・ でも、いただいちゃったもんね。ファーストキス!!(あ、まあ、前のは意識なかったし、な)ふふふふ。 床に倒れたまま、真澄はニヤニヤ次回の計画を練るのであった・・・・・ 「骨折して入院ってことにして・・・・」ムフフ・・・ その日の夜、真澄の頭のなかでめぐる言葉は「俺の事は嫌いじゃない♪」だった。 そして甘い感触を思い出して、ヨダレをたれつつ眠りにおちるのだった。 3.19.2003 ![]() □●号さんより□ え〜延々2時間かかって、書きました。構想5日。 これからマヤチャンをGETするまで、突き飛ばされる日々はつづくのでした・・・・ つぎの計画は桜の花見で■、、スキーで▲です。がんばれマッスーーーー!!(あ、季節が逆か・・・まあええわ。一年くらいかけて ものにしてください。あ、夏は海って手もあるな・・・メモメモ。) 妄想菌おそろしや・・・・・●号の私生活はいずこに・・・・・ ![]() □杏子より□ 読む前も(タイトルより)読み中も(文体より)そして、読んだ後も(オチより) 「●号さんらしい話やな〜」 と、ニヤニヤしながら楽しませて頂きました。文って本当に、その人が滲み出てくるもんなんですね〜。なんか、●号さんとお喋りしてるみたいなカンジがしました。 セコくて強引で意地悪な真澄さまVS純朴ボケボケマヤちゃんシリーズ。続行期待!! 私生活とは、これが私生活ですよ、●号さん♪ ![]() |
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