あなたを愛する24の理由 2
12月1日

初めて速水さんに会った時、
(優しそうな人だな、素敵な人だなぁ)
って思いました。
速水さんは覚えてるのかな、私に初めて会ったときの事。
私が生まれて初めて見た「椿姫」の舞台で、
私は舞台への情熱と一生の思い人と、
今の私が一番大事にしてるものを2つとも見つけちゃってたなんて、
ちょっと運命的?

でも、私は運命を信じる。
だって色々あっても、あんなになっても、あんな事があっても、
結局私の思いは、あの日初めて会った時にあなたへ抱いた思いへ
戻ってきたから。

あなたを愛するのは私の運命だと思ってます。


12月2日

今日はとっても寒いです。
12月の空気が寒いのは毎年同じはずなのに、
今年の冬がいつもよりも寒くないのは
「寒いね」
という相手がいるから。
速水さんと居ると、いつも私の周りは2度、温度が上昇してる気がします。

外はどんなに寒くとも、あなたの側は暖かい。


12月3日

今日は速水さんのお誕生日からちょうど一ヶ月。
速水さんは、もうこれ以上年を取るのは嫌だって言ってたけど、
確実に一ヶ月、また年をとりましたね。
ふふふふふ。
でも、私もあの日から確実にやっぱり一ヶ月、年を取ったので、
同じ事ですね。

いくつ年を取っても、何度誕生日を迎えても、
二人の間の年の差は絶対に縮まらないけれど、
二人の間の距離は縮まっていってる?

一ヶ月前よりも、やっぱり私はもっと速水さんが好きな気がする。


12月4日

タバコはほどほどにした方がいいと思います。
速水さんが腹黒いとは私は言わないけれど、
速水さんの肺は絶対、真っ黒だと思う。

タバコに火をつける度に、どこからかため息が聞こえる気がしたら、
それは私です。(ホントです)
私は、健康な速水さんが好きです。


12月5日

紫色がお気に入りの色になったのは、薔薇をもらってからの事です。
それまでは、ピンクとかオレンジが好きだったかもしれない。
もう、思い出せないや。

人の質問にすぐに答えられない頭の回転の遅い私には、
すぐに答えられる質問があるのは嬉しい事です。
「好きな色は何色ですか?」
「紫色」
「好きな人は誰ですか?」
「速水さん!」
ほらね、一秒で答えられる。


12月6日

今日、私は速水さんがプレゼントしてくれた紺色のダッフルコートを着て、
お仕事に来てます。ちゃんと冷蔵庫に
「今日は紺のダッフルコートを着ていく」
ってメモを張っておくので、間違いなく着ているはずです。

速水さんもおそろいのチェックの模様の入った
トレンチコート持ってましたよね。
お揃いは恥ずかしいけど、裏地がお揃いはちょっといいかな。
これを着るとあったかいのは、速水さんがプレゼントしてくれたからかな。


12月7日

今日はテレビの録画取りです。25日に放送されるんだって。
速水さんと一緒にあとで見れるね。
トーク番組は苦手だけど、好きな食べ物をオーダーして
それを食べるだけでいい、っていうので
出てみる事にしました。
おもしろそう!!

PS 木村さん、やっぱりかっこ良かったですよ。
(な〜んて、まだ会ってないのに。嫉妬した?でも、
やっぱり会うのちょっと楽しみだったり…)



12月8日

今日はお昼に吉野屋の牛丼を食べます。
(これも冷蔵庫に貼っつけて、忘れないようにしてるので、
ホントに食べてるはずです)
女優がお昼に牛丼なんて、とみんな呆れるけど、
好きなものは好き、おいしいものはおいしいので、しょうがないのです。

周りに惑わされて、欲しい物を我慢したり、好きなものを諦めたり、
同じ間違いはもう2度としない。
例え食べ物一つでも、欲しいものは欲しい!
そう言える私でありたいのです。

速水さんは今日、何を食べるのかな。


12月9日


クリスマスまでの速水さんに会えない日々、3分の1が終わりました。
がんばったご褒美に、今晩電話を下さい。
それこそ、冷蔵庫に
「本日、速水さんから電話あり」
って張っておくので、かかってくるまで待ってます。

速水さんは私の声、聞きたくないのかな。


12月10日

今日はマンションのゴミだしの日です。
忘れないようにいつもより10分早く起きて、
ゴミを出さなければいけません。
忘れてしまったら、また3日間、生ゴミと共同生活です。

間に合ったかどうかの確認の電話なんて、入れないで下さいよ。
速水さんのそういう嫌味虫な所、嫌いだけれど、
なかったらないで寂しいのは、やっぱり好きって事なのかな。


12月11日

夜寝る前に考えるのはいつも速水さんの事で、
なんでも切れるハサミでちょきちょきと、楽しい思い出を切り取っては
繋ぎ合わせて瞼の裏で再生してみるのです。
少しでも夢で続きが見られるように。

でも、夢に出てくるのは切り取ってない思い出だったりで…。


12月12日

会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい
会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい
会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい

今日はそういう一日でした。


12月13日

今日は私がテレビに出る日ですよ。
生放送だからまた失敗して、
速水さんの寿命を縮めちゃうかもしれません。
今から謝っておきます。

速水さんからもらった、小さなダイアのイヤリングをして出ます。
左手で髪をかきあげた時に、ダイアが光ったら
それは
『アイシテル』
の合図。

ちゃんと見逃さないで受け取ってくださいね。


12月14日

あと10日で速水さんに会える。
今日からカウントダウンを始めましょう。
10日なんてあっという間だと
速水さんは笑うかもしれないけれど、
こんなに長い10日間を私は知らない。


12月15日

今日は満月だそうです。
お天気が良かったら、夜の12時に10分間月を見上げて下さい。
私も夜の12時に10分間、月を見てます。

会えなくても、遠く離れていても、
私たちはこうして同じものを見ている。


12月16日

何か悪い事が起きたりすると、
昔の私はこう思ってました。
「神様ごめんなさい」
何か助けて欲しいピンチの時は、
昔の私はこう思ってました。
「神様助けて」
何かがうまくいって、幸せなときは
昔の私はこう思ってました。
「神様ありがとう」

でも今の私はいつもこう思ってます。
「速水さんごめんなさい」
「速水さん助けて」
「速水さんありがとう」

呼ばれてばっかりで、疲れませんか?


12月17日

寂しい時は昔の楽しいデートの事を思い出します。
縁日で遊んだ事
公園でボートに乗った事
プラネタリウムに行った事

でも、あれはデートじゃなかったのかな?

速水さんはあの時、どのくらい私の事好きでした?
私は、嫌いだったけれど、やっぱりちょっと好きだった気がする。

だって速水さん優しかったから…。


12月18日


出口の光が見えない暗闇の中でさまよっていた時、
私はある人をとても傷つけた。
沢山の嘘と沢山の暴力と沢山の暴言をありったけ使って、
残ったものはたった一つの真実。

私を守ってくれる人。

暗闇の中で私を呼ぶ声がした。
声のする方へ必死になって走って、トンネルを抜けた先にいたのは
速水さん、あなたでした。

時々、無性にあなたに謝りたくなる時があります。
「ごめんなさい、ごめんなさい。いっぱい傷つけてごめんなさい」



12月19日

いよいよ、明日が日生劇場の千秋楽です。
「じゃじゃ馬ならし」
のお話が来たとき、
「君にぴったりじゃないか」
と言った、速水さんの顔が忘れられません。

じゃじゃ馬…。
どーせ…。

もし、いつものように花輪を贈ってくださるなら、
この手紙を読んだ証に
「じゃじゃ馬さま」
で贈ってください。

ふふふ、速水さんに出来るかな〜。



12月20日

舞台が一つ終わるたびに心にぽっかり穴が開く。
私のようで、私でないもう一人の自分が、出て行こうとして
そしてそれを引き止めて。
心も体も抜け殻みたいになってしまう一瞬があります。

何ヶ月も一緒に居た役が私を置いて、逃げていってしまうと、
途端に寂しくなるのです。
ひとりぼっちは寂しいのです。

女優も楽じゃありません。



12月21日

舞台が終わった後はいっつもぼーっとしてる。
ぼーっとしすぎて、お皿を割ったり、窓ガラスに頭を打ちつけたり、
お砂糖とお塩を間違えてたりしてると思います。

こんな日は速水さんが側に居なくて、
良かったなってちょっとだけ思います。

ほんとにちょっとだけだけど…。


12月22日

一週間分の荷物を詰めてます。
お仕事で出かける時に荷物をまとめるのは
あんなに億劫なのに、
今日はとっても楽しい。
楽しくって楽しくって、一ヶ月分の荷物を詰めてしまいそう。
(嘘です)

一週間分の荷物と、会えなかった間に溜まってしまった
思いを詰めたら、もう持ち上げられないぐらいの
重さになってしまいました。

もうすぐ…。もうすぐ…。


12月23日

明日はいよいよ、速水さんに会える!!
この手紙を速水さんが読んでる頃、
速水さんはどの位私に会いたくなってるかな。
少しは寂しがってくれたかな。
少しは思い出してくれたかな。

私はずーっと会いたくて、
ずーっと寂しくて、
ずーっと速水さんの事、思ってました。

明日にはもう会えるから、今日は無理して
私の夢に出てきてくれなくてもいいですよ。


12月24日

今日という日にあなたに一番いいたい言葉。
面と向かって言うのは照れるから、一回練習しておきます。

「世界で一番あなたが好き」

一分でも早く迎えに来てください。







24日のイブの朝、24通目の手紙を何度も読み返し、真澄は朝食も取らずに車を走らせる。

世界で一番愛する人の元へ、
一分でも早く会いたい、

愛しいその人の元へ。






12.21.2003









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