Epilogue



「あ、今年もやってる!」

【一杯飲んで、もう一杯をシェアしよう】

 今年も大都芸能本社が入るオフィスビル一階のカフェにはその大きな看板が掲げられる。

「今年もやるという事は半額値下げ分含めても純利益が上がったという事だな。普段来ない客層への訴求があったとみるのが妥当で──」

「もー、そういう固い分析いいですから! わかりません? これクリスマス前に好きな人を誘う口実なんですよ! 半額になるから一緒に飲みません?って誘いやすいじゃないですか」

「君もそうだったのか? 一年前、そうやって俺を誘った」

 物凄く分かりやすく赤面してしまう。分かっていてもそういう事は言わないで欲しい。

「え? 私は……、そんな事するわけないじゃないですかって……、嘘です!そうです!その通りですっ!!」

 どうにでもなれと真っ赤に真っ赤を重ねて、マヤはそう答える。一年ぶりの答え合わせなんて恥ずかしすぎる。

「だって私、ほんとは一人で二杯余裕で飲めますから」

 一年前のあの日、真澄に指摘された通りに認める。でもそこから先はあの日、口に出来なかった事だ。

「ほんとはあの日、ちょっとだけ期待しました。会えたらいいなって。もし偶然会えたら、これで誘おうって思ってました。ずるい?」

「同じだ」

 想定外のその声にマヤは驚いて振り向く。

「社長室の窓から君が見えたんだ。偶然通りかかったふりをしたけど、下で用事なんてなかった。君に会いに行ったんだ」

 一年越しの答え合わせに二人とも猛烈な照れが襲ってきて、絶句してしまう。

「よかった……」

 思わずそんな声がこぼれ落ちる。訝しげに真澄が首を少しだけ傾げる。その言葉の真意を探るように。

「今年は偶然装わなくても、ちゃんとこうして約束して会える、速水さんの恋人になれた」

 あの幸せだけれど、ちょっと苦い、まるでチョコレートのようなクリスマスから一年。自分はこうして、この人の隣にいる。

「そうだな……。来年は約束しなくても毎日会える関係にならないか?」

「え?」

 人混みの流れが止まる。まるで世界の時が止まるように。
 この世で二人だけになってしまったかのように。

「結婚しよう」

 一年前は苦い余韻が残ったホットチョコレート。
 今宵は甘く、全ての過去を溶かす甘さが二人を包む。

「はい……」

 聖なる夜に響く鐘の音のように、マヤの声がそっと響いた。



 2024 . 12 . 31








FIN




あとがき的な

先日、リアル真澄様お誕生日会を開催させて頂いた際、本当にたくさんの熱いマスラーの方とご一緒させていただき、沢山の萌えとパワーを頂きまして、この熱 い想いはちゃんと形にして返していかねば、と決意あらたにしまして、書けるネタを探しておりましたところ、GODIVAのこの

”一杯飲んで、もう一杯”

キャンペーンを見つけて、これや!
と一瞬で出だしは浮かんだんですけれど、オチが……。
というのも、ここから新年の本公演の後に

”俺が紫のバラの人だ”

告白やら、

”ずっとあなたが好きでした”

告白やらが間違いなくあるんですけど、もうそれ何回書いたよ、とさすがにデジャブが苦しくてw
あと、私、原作至上主義なんで、なかなか原作の

◯◯と☓☓の間の出来事

みたいのが書けなくて(どうしても二人をくっつけたいから改変なしで着地できない)、でも書いてみたかったんですけど、この試演と本公演の間ってのはちょうどいいんですが、でもそれでこの後どうなったかは皆様ご想像の通りで、の放置プレイも凄い苦手で。(笑)

というわけで、一年後にワープの”必殺!タッチ形式”を採用しました。

一応すっきりして年を越せたのではないかと!

クリスマスに出すと宣言しておきながら、恒例の年末体調崩しやらなんやらで、まさかの12月31日の除夜の鐘BGMでの更新となりまして、大変お騒がせしました。まさかの出前チャレンジ状態www

それでも
”今年の妄想、今年のうちに”
が叶いまして、ホッとしております。ホットチョコレートだけに。
(やべーーーwww 滑ってるwww)


そんなこんなで、あとがき書いてる今は年も明けてしまい、2025年が始まりました。
今年も変わらずマスマヤマスマヤしていきたいと思ってます!
どうぞ、よろしくお願いします!!










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